「そやし水もと仕込み」にて造られた純米吟醸酒!
創業は明治4年。代を重ね酒造りの歴史は130有余年。
酒名『天穏』は日蓮宗の経文から抜粋して命名した由緒あるものです。
“味と香りに生きる手造りの酒”をモットーに、原料の酒米は良質の五百万石、神の舞、佐香錦など
島根県産米並びに兵庫県山田錦米を使用しています。全国新酒鑑評会で過去9回金賞受賞蔵。
当地出雲は出雲風土記にもありますように、酒造りの発祥の地として松尾神社もあり、
出雲を代表する銘酒として多くの人に親しまれています。
お酒は酵母菌の働き(増殖)によって造られますが、その酵母菌が安全に増殖するためには「酸性環境」が必要です。
清酒酵母は他の微生物や雑菌と比べて酸性環境に強いため、いかに「酸性環境」を作り出して雑菌類を淘汰させるかがポイントとなります。
そこで、今年度より板倉酒造が挑戦したのが、「そやし水もと」と呼ばれる新しい仕込み方法です。
水に生米を入れ乳酸発酵させた水(そやし水)に米・米麹に投入する製法なんですが、
ポイントは、投入する段階ですでに「酸性環境」になっているという点です。
これによりスタートの段階から、雑菌等に汚染させることなく安全に酵母菌を増殖させることができます。
ですが、このそやし水を仕込んだ直後の初期段階は非酸性状態なので、乳酸菌や野生酵母、雑菌類がうごめいています。
乳酸菌が乳酸発酵により次第に酸性環境となり、やがて他の雑菌類は淘汰されていきます。
ここで小島杜氏が注目したのが、そやし水にはそれら多種多様な菌類の「生きた痕跡」、自然発酵の不安定なニュアンスを残せること!
「生命の営みを具現化したものが酒である」と考える小島杜氏にとってとても魅力的な製法でもありました。
そこで全量そやし水仕込みを取り入れている岡山県・辻本店の辻杜氏から製法を教わり、試行錯誤を重ねて今回リリースできる運びとなりました。
※「そやし水もと仕込み」については板倉酒造HPにわかりやすくまとめられていますので、ぜひご覧ください。
https://www.tenon.jp/tenon/655
乳酸由来の爽やかながら厚みある香り、弾力感ありつつも程よい甘旨味に、わずかな若さと渋さで締まる。
原料米も五百万石と縁の舞の組み合わせで軽すぎず重すぎず、故に定番酒らしい安心感ある香味に仕上がっています。
そやし水もとの特徴と天穏のやわらかさが合わさることで、今回のようにとても特徴的なお酒が仕上がります。
これまでの天穏のイメージを強く持っている人ほど、驚きを感じる味わいだと思います。
味わいのポテンシャルが高く表現の幅が各段に広がるので、今後も引き続き「そやし水もと」に取り組んでいくと小島杜氏。
今後も板倉酒造から目が離せませんよ!?
原料米 | 島根県産 五百万石、縁の舞 |
精米歩合 | 60% |
日本酒度 | --- |
酸度 | --- |
度数 | 14.8度 |
蔵元 | 板倉酒造 (島根県) |